BROMPTON をバラ完してみた。

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唐突ですが、BROMPTON をバラ完してみました。
バラ完とは、自転車を完成車として購入するのではなく、フレームからパーツを組み付けて自転車を完成させることをいいます。「バラバラから完成車」の省略だと思います(違うのかな?)

完成車だと使われているパーツを自分好みにするために交換すると、最初から付いているパーツが無駄になってしまったり二度手間になってしまうため、ロードバイク界隈ではわりと普通な事だったりします。

しかしBROMPTONでバラ完は基本的にありません。なぜならば、メーカーがフレームのみの販売をしていないからです。そのためネットで検索してみても、ショップで再塗装とかのフルカスタマイズとかが主で、あとはフルチタン化です。

BROMPTONのチタンモデルはメインフレームはチタンではありません。フォークと後ろ三角だけがチタンで、それ以外のフレームは通常モデルと変わりません。そのため、ステムやメインフレームも含めてチタン化する「フルチタン」カスタマイズの場合、BROMPTON以外からチタンフレームを購入してバラ完する事になります。

しかし、私のバラ完はフルチタン化ではありません。

 

台湾製BROMPTON

私の1台目のBROMPTON台湾製BROMPOTNです。それでBROMPTONの良さに目覚め、2台目として英国製のBROMPTONを購入しています。2台目のBROMPTONを自分好みにカスタマイズするとパーツが余りますので、それを台湾製BROMPTONに移植することを続けていたら、気がつくとフレーム関連以外はすべて英国製の部品になっていました。

そうなるとフレーム関連も英国製にしたくなるのが心情。台湾製が悪いかというと、個性というか、あれはあれで割り切ればアリという思いもあるのですが、私にはポジションが合いません。実は台湾製BRONPTONはフレームのサイズが古く、現在の英国製BROMPOTNよりは小さいのです。またMステムしかない関係でSハンドル化すると全体的に1サイズ小さくなります。英国製BROMPTONも同時に使っているので、2台でサイズが違うと違和感が半端なく、あとは剛性感も足りません。台湾製は全般的に英国製よりも華奢な感じがします。これは上りでゴリゴリ体重をかけてダンシングすると顕著に感じます。

ヤフオクなどでBROMPTONの中古フレームを探していますが、たまにフォークやステム単品の出品はありますが、メインフレームの出品は長らく見当たりません。さらにコロナ禍で新車の供給量が減っている関係なのか、以前に比べると異常なほどに中古相場が高騰しています。

AliExpress

チタンフレームが中国のネット通販サイトAliExpressで販売されているということで覗いていみたらチタンではない通常のフレームも売っているではないですか!

価格もお手頃で、フォークやステムに加えてメインフレームも含めて1台分まるまる購入できます。懸念している品質についてはネットでも事例を見かけないので商品写真を入念にチェック。サイズや形状、ロウ付け状況など気になる部分を確認しましたが、写真から判断できることには限界があります。ネットで事例を検索してもチタン以外ではヒットしません。チタンフレームでバラ完した例を拝見させていただきましたが、品質面で特別な問題がある記載はありませんでした。なので、思い切って購入です。

 

関税

中国からの荷物はコロナ禍の影響で日程が読めません。気長に待つしかないのは受け入れるとして、税関から電話がかかってきたのは驚きました。なんと商品の値段が「4,890ドル」となっているとの事。これは訂正しないと商品代金よりも高い関税を請求されてしまいます。電話とメールでやり取りして、正しいインボイスと個人使用である旨を伝えたところ、関税と地方消費税込で3,900円(さらに日本郵政の手数料200円も)でした。関税は見逃してもらっている事が多かったのですが、今回は引っかかりました。しかしなんで4,890ドルなんでしょうか??

 

追加物品

BROMPTONのフレームを組み立てる際に注意すべきポイントが2つあります。一つがリアヒンジ、メインフレームとリア三角を繋ぐところのヒンジです。この部分はブッシュが消耗品ということもあり、交換している動画がたくさんあります。それによると、ブッシュを圧入するだけでなく、リーマーで内側を削る必要があります。チタンフレームをバラ完した人によると銅ブッシュがフレームに付属していた模様で、リーマーは使っていませんでした。しかし私が購入したフレームの写真はどう観てもブッシュは付いている様には見えません。しかたがありません、自分でリーマーしましょう。ということでモノタロウでリーマーの刃を購入。さすがモノタロウ、なんでもあるぜ。

ブッシュそのものはCYCLETEC-IKDで購入しました。

あとリアヒンジにはプラでできたワッシャーが必要で、英国製BROMPTONの現物サイズを測って同じ様なサイズのモノを、これまたモノタロウで購入。

これでリアヒンジはどうにかなりそうです。次はシートポストです。シートポストにはスリーブが付いています。このスリーブも消耗品で単品でパーツ購入が可能です。しかしこれもリーマーで内側を削る必要がありますが、このサイズのリーマーの刃は安くありません。それ以前に適切なサイズが分かりません。困りましたね。チタンフレームをバラ完した人を参考にしましたが、これもフレームにスリーブが付属しておりリーマーは使っていませんでした。うーん、どうしよう。

いろいろ考えましたが、カーボーンシートピラーがずり落ちるのを防ぐためのスリーブという製品を見つけました。これはゴムでできておりリーマーで削るものではありません。今回はカーボーンシートピラーではありませんが、これを使えばリーマーは不要にできそうです。

あとひとつ、最近のモデルからフロントブレーキの固定方法が沈頭式になっています。このフレームも2021モデル準拠であったため沈頭式のブレーキしか対応していません。しかし移植元である台湾製BROMPTONに付けているブレーキは当然、普通のブレーキです。なんとかしないと追加出費です。

これはブレーキの軸を交換するのがメジャーな対応法なのですが、それするぐらいならば沈頭式のブレーキを買います。なので考えました。普通の穴が6mmで沈頭の穴が8mmであるだけなので、端的に8mmから6mmに変換するワッシャーがあればよいわけです。モノタロウを検索、良いものがありました。

ただブロンプトンのフロントブレーキの取り付け台座は湾曲していますが、変換ワッシャーは平らです。そうたいした湾曲ではないので無視しても良いかと思ったのですが、フロントブレーキなので何かあったら大事です。リアならばともかく、フロントは大事です。そこで1mm厚ぐらいのゴムをワッシャーの形に切り抜いて隙間を埋める事にしました。完璧ではありませんが、ないよりはマシでしょう。

それと忘れていた、まだ2つポイントがあります。ステムを固定するために臼がが必要なのですが、商品の写真には臼は写っていません。しかし、これは台湾製のモノがそのまま流用できそうなので問題ありません。最後になりますが、ステムのハンドルバー固定ボルトがM7というマイナーサイズで台湾製とはサイズが違います。これは以前に台湾製のボルトを英国製に交換する目的で購入していた(しかしサイズ違いで使えなかった)ボルトがあるので、それを使います。

 

フレームが着弾

中華製BROMPTON風のフレームが到着しました。3週間ぐらいで到着しましたが、早かったのか遅かったのかよく分かりません。いろいろ準備することもあったので丁度良かったのかもしれません。

ドキドキしなから開梱です。

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想像以上に厳重な梱包で開けるのが大変 ... なにか付属品があるぞ!

これは、BROMPTONのシールじゃありませんか! 流石にフレームに貼っていないのでセーフですが、ユーザーの需要を良く理解していますね。もっとも私は貼りませんが。

それよりも気になるのはリアヒンジとシートポストスリーブです。え ... なにこれ、銅スリーブとシートポストスリーブが付属しているじゃないですか!私の準備は無駄だったー! さすが中華セラー、ユーザビリティが高いですね。

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台湾製BROMPTONの分解

まずは台湾製BROMPTONを完全にバラします。サクッとバラします。英国製に交換しているヘッドパーツは流用するので専用工具を使って丁寧に取り外します。リアヒンジまで分解する必要はないのですが、フレーム単体の重量測定をしたいのと保管場所の確保のためにバラします。以前にリアヒンジボルトが緩んで増し締めした事があったので普通に外れるのではないかと予想していましたが、そのとおりでした。英国製BROMPTONだとボルトの頭をドリルで飛ばして外す必要があるのですが、さすが台湾製、そんなことは不要で普通に外せました。そして確認してみると、台湾製BROMPTONも銅スリーブでした。

 

台湾製と中華製の比較

さて2021モデルと同じ寸法だという商品説明の中華製フレーム、台湾製フレームとの違いはどうでしょうか?

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中華製フレームの組み立て

リアフレームヒンジとシートポストスリーブの問題が解決しているので、実にスムーズです。ヘッドパーツの圧入も工具があれば全く問題ありません。沈頭式の穴に通常のフロントブレーキを取り付けるのも用意していた変換ワッシャーを使って解決できました。私は台湾製BROMPTONのパーツ交換や英国製BROMPTONのカスマイズなどで一通りのバラシと組み立ての経験があったので、淡々と組み立てるだけ、だったのですが問題というか見逃しがありました。

 

ケーブル長が違う

フレームサイズとステムサイズが異なるのですから、当然ケーブルの長さも違います。それは事前に把握していて、まぁ手持ちのケーブルでどうにかなると甘く考えていたのですが、甘すぎました。インナーケーブルは大丈夫だったのですが、アウターの長さが全然足りません。普通のブレーキケーブルなのでシマノで平気なのでAmazonで購入。翌日配送じゃなかったので、あさひで買えばよかった。フロントブレーキケーブルは台湾製BROMPTONのリアケーブルを短く切れば良いので、とりあえずフロントブレーキはOK。

次はシフトケーブルです。私の台湾製BROMPTONは内装3速モデルなのでシフトケーブルは1本だけです。これは手持ちのシマノ製シフトケーブルで長さは足りました。が、太鼓の形状が異なり、シマノのケーブルではシフターに入りません。気合で太鼓を削れば良いのですが面倒なので、予備パーツとして確保していた3速シフターからケーブルだけ移植。

ここでトラブルです。古いシフターからケーブルを取り外すときにバネが飛んでいったみたいで、部屋中どこを探しても見つかりません。完全な自業自得です。しかたないので、手持ちの部品箱をひっくり返して見つけたバネを適当な長さにニッパーで切断して取り付けたらジャストフィット。助かりました。

 

とりあえず完成(リアブレーキケーブルを除く)

予想以上に楽だった部分もあれば、逆に苦労した部分もありましたが、トータルで見れば上手に組み立てられた部類ではないでしょうか。今回のタイミングで内装3速HUBも分解整備したので、それこそBBのシールドベアリング以外は文字通り全てのパーツを分解・組み立てできるようになりました。工具も揃えちゃったし。

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最後に

今回購入したフレームはBROMPTONではありません。もどき、です。台湾製台湾製ではあっても正真正銘のBROMPTONではあります。しかし今回は違います。なので、”中華BROMPTONもどきS3Eモデル”と呼ぶことにします。

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余談

フレームナンバーが刻印されていないので防犯登録はできないかもしれませんね、しないけど。

リーマーの刃やシートポストスリーブなどについては準備したけれども使わなかったので、私の話を信じて購入してうまく行かなかったとしても知りません。

記事すべてにおいてですが、自己責任でお願いします。